早い段階なら、血液も水だけで落ちる。
乾燥機で加熱することはNG。
先日来店したお客様。「ワンピースに血液のシミが付いてしまったので近くのチェーン店に出したんです。そしたら、全然落ちないで返ってきてがっかり。ドライクリーニングしたみたいなんですけど~。何とかなりますか~?」
はじめにお断りしておきますが、血液のシミはドライクリーニングでは落ちません。
そもそも、血液のしみをいきなりドライクリーニングするお店があるとしたら、全く基礎ができていないクリーニング店であり、これが日本国中クリーニング難民が増えている実態と言えるでしょう。
それでは血液のシミはどう処置するか?
シミがついて以後の時間の経過により方法も変わってきます。
1,「水」又は「水+中性洗剤」
つけてすぐなら水だけで血液は落ちます。シミ部分を水洗いすることがまず第1なのです。
ところがこの段階でドライクリーニングをしてしまうと乾燥機で熱が加わる。血液は加熱すると逆に固着して取れにくくなってしまうのです。だから、すぐにドライクリーニングはNGです。
2,「酵素」
少し時間が経ったら、「酵素」が必要。酵素を塗ってしばらく放置してから洗えば、血液は溶け出して流れやすくなるのです。家庭洗濯の場合、「大根の絞り汁」も代用できます。ジアスターゼという酵素が大根には含まれるので効果があるのです。
3,「漂白」
かなり時間が経っていて、酵素でも落ちきれない場合は「酸素系漂白」が必要です。
家庭洗濯の場合は、ワイドハイターや過炭酸を40~50℃のお湯に溶いてつけ置き洗いするとよいでしょう。
まとめ
クリーニング屋さんに頼む時、『「血液のシミ抜き」をしてから洗ってくれますか?』と聞いてみてください。
もし、「うちはドライクリーニングだけ落とします」などという答えが返ってきたら、さっさと店を出て別のクリーニング店を探しましょう。