「クリーニング難民」という言葉をご存知ですか?あっちのお店で台無しにされ、こっちのお店でも満足できない。まるでジプシーのようにさまよう人々。今、日本中でこのクリーニング難民が急増しています。
原因はさまざま考えられますが効率重視の経営方法がその一因と言わざるを得ないでしょう。
柳屋にもお悩み品が日々持ち込まれますが、その中でも代表的な事例をいくつかご紹介します。
コートの袖口やエリの汚れは気になりませんか?。
それが白やうすい色だと特に汚れが目立ちます。
お気に入りだと冬の間はずーっと着てしまうと思いますが、白系はひどくなるとドライクリーニングだけでは落ちにくくなってしまいます。ですから、シーズン途中でも1度はクリーニングした方が長持ちにつながりますよ。
ところがひどくなった汚れでもドライクリーニングだけだと充分キレイにならないケースがあるんです。
柳屋では、特に汚れがひどい場合は ドライと特殊水洗いの2度洗いでキレイにします。ダウンでも大丈夫なのでぜひお試し下さい。
綿100%のズボン。「1年以上放置しておいたらシミになって洗濯してもとれない」とお持ちになりました。
一番多いケースです。
食べこぼしは古くなると「酸化」といって茶や黄色に変色します。この状態でクリーニング店でドライクリーニングしてもまず落ちません。
「特殊漂白のしみ抜き」が必要です。こうなると大変!
綿100%はご家庭でも洗えるズボンが多いので、シミをつけてしまったらなるべく早く「中性洗剤」をつけて軽くもんでから洗いましょう。中性洗剤の代わりに食器用洗剤でも大丈夫ですよ。
「もう10年以上着てないのだけど、ダメならあきらめるわ」とお客様がお持ちになりました。
たとえ着ていなくてもタンスやクローゼットに入れっぱなしだと「ヤケ」とよばれる黄ばみが発生します。黄ばみの原因は「汗」「汚れ」の酸化。石けんなどアルカリ性物質の残留などが考えられます。
こうなると、水洗いでもドライクリーニングでも落ちないので今回は「復元加工」という特殊加工で元の色に戻りました。
アジア系の外国製品です。
柳屋の工場でドライしただけで、袖口の白に本体のグレーが移染してしまいました。こんなことは通常考えられません。間違えなく製品自体の粗悪品です。
日本製はこんなことはめったにありませんが、外国製品(特にアジア系)はしばしばあります。生産の最終工程で「染色の色止め」が甘いために起こります。
家庭洗濯でも外国製品の場合は品質タグをよく見て洗って下さいね。黒や紺、赤など濃い色は色が特に出やすいので注意が必要です。
今回は、「移染取り」の方法でキレイになりました。
赤ワインです。
こぼして直ぐに洗えば家庭でも落ちると思います(家庭用洗剤でOK)。これも時間との勝負ですね。
色素ですから時間が経てば経つほど、落ちにくくなってしまいます。
洗っても落ちない場合は特殊な漂白が必要になってきます。