血液のシミ。
いきなりドライしても取れない。
酵素を使い水溶性の
しみ抜きをしてからドライが正解!
先日来られたお客様、「血がついたので他のチェーン店に出したんだけど全然落ちなくて~」と紳士用のズボンをお持ちになりました。おそらくその店ではドライクリーニングだけをしたのでしょう。これでは血液が落ちるわけがありません。またドライクリーニングというのは高温乾燥します。血液は高温で更に固着して取れにくくなるのです。今、全国で
クリーニング難民が増えているのはこういう基本のキができてないクリーニング店が増えているから!
そもそも血液はドライクリーニングでは落ちません。ドライクリーニングは油溶性のシミは落ちますが水溶性のシミは落ちにくい。血液はまさにその水溶性のシミなのでいきなりドライは間違ってる。血液の場合は、まずその部分を水溶性のしみ抜きをしてからドライクリーニングが正解。
血液のシミでクリーニング屋に行くなら「水溶性のシミ抜きで落としてからドライしてもらえますか?」とカウンターで聞きましょう。「えっ、それ何のこと、、、?」なんて言われたらサッサとその店は失礼した方がいいですよ(*^▽^*)
きれいなドライ液で洗わないと、
カビも出やすい!
このあいだの土曜日、久しぶりに来店されたK様。
「このダウンベスト、今年の春、実は別のクリーニング屋に出しまして、、、。それで夏頃になってふと見たら背中とかいろんなところカビてるじゃないですか。去年は柳屋さんに出したんで全然カビなかったんすけど、今年は安いチェーン店に出してこのとおり。やっぱりここは違いますね、スゴイですね。またお願いします。」
って手前味噌なほめられた話ですが、嬉しいじゃありませんか。
そもそも「なぜカビが生えるのか」というと「汚れ、温度(20℃~40℃)、湿度(70%)、空気(酸素)」の4つが揃うと生えるといわれている。衣類の場合、その「汚れ」がどれだけ取れているか? なのだが、クリーニング屋に出してはたして本当に取れてるの?
ドライクリーニングのドライ液がホントにきれいに管理されているのか?ココが問題なのです。
ドライ溶剤の汚れ具合を見る値に「酸価値」というのがある。液が汚れてくると酸価値が上がり、異臭というか嫌な臭いが出てくる。
残念なことにクリーニング店の中には、こんな状態で洗ってしまう店や工場もあるんです。そうすると、衣類の汚れが落ちないどころか逆に汚されている場合も。コレを「逆汚染」というのだけれど。
今回のK 様のダウンベストも、良くない状態のドライ液で洗った可能性がありますね。
柳屋では、この「酸価値」が上がらない管理を徹底しています。だから次のシーズン、カビが生えることがほとんど無いのです。
今年は特に湿度が高い日が続きました。ずっとしまいっぱなしの冬服や礼服。ぜひもう一度点検して下さいね。