生地の種類や厚さによって、プレスの強弱も変えるのがコツ!
クリーニング屋に出したら「ズボンが二重線になって返ってきた」なんてことはありませんか?
この二重線は一番やってはいけない初歩的なミスですが、実は他にもズボンプレスには気をつけるべき点がありまして、、、。
クリーニングの工場では、ほとんどサンドイッチするプレス機を使っています。機械がやってくれるから簡単じゃないかと思われるかもしれませんが、「ちゃんと」プレスするのは意外と難しい。
なぜかというと、一口にズボンといっても、その生地の厚さ、種類は様々。だから、生地の厚さや種類によって「プレスの強弱」をつけなければなりません。それを調整するのは人の「目利き」なのです。
例えば、これから冬の季節。フラノのズボンがありますね。フラノといえば毛足が長めでふんわりしてる。このフラノのズボンを、ポリエステルのズボンと同じ『時間』で押したらペチャンコになって風合は台無しになってしまうでしょう。
つまり、プレス時間は ポリエステル→3秒 フラノ→1秒
ほんの少しの時間差ですがフラノのズボンに3秒押したらおシャカです。
そしてこの辺の調整は、自動ではなく人の手動でしかできないなのです。
逆に、綿や麻の場合は違います。
ポリエステル→3秒 綿・麻→5秒
綿・麻のケースはもっと長く強くプレスしないとキレイに仕上がらない。
機械とは便利なモノで、ボタンを押せばサンドイッチプレスはしてくれます。ただ、すべて同じ『時間と強さ』でやるか、生地の種類を見極めてやるかでは全然仕上がりが違うのです。
また、もっと難しいのは「レディース」のパンツです。レディースの場合はデザインが紳士物より複雑で、曲線が多いので、手アイロンで仕上げる部分が多いのです。クリーニング料金がレディースの方が高めなのは、手間がかかるからなんです。
このように、ズボンといってもただ「サンドイッチ」するだけではありません。
ズボンは仕上げアイテムの中でも「一番難しいアイテム」の一つなのです。
石油系ドライクリーニング
だから生地に優しい
初めて柳屋にお電話をいただいたK様。
「先日のチラシを見て、電話しました。お願いできますか?」
よくお話を伺うとクリーニングしようと着物屋さんに出したけど全然落ちてないので、もう一度お願いしたいとのこと。
「特に、『襟』『袖口』『裾』の黒ずみが残っているの。
着物専門店なのにガッカリしたわ~。」
着物のメンテナンスは、どこにお願いしたらいいの?とわからない方は意外と多いようですね。
呉服店、着物屋さんなどで「京洗い」「丸洗い」という広告を見る事があると思いますが、基本的にこれは「石油系ドライクリーニング」のことなんです。
ただ、ドライクリーニング溶剤にも種類がいくつかあって、その中の一番マイルドなのが「石油系ドライクリーニング溶剤」。
柳屋クリーニングのドライ溶剤も「石油系溶剤」。
石油系ドライクリーニングは、とてもマイルドなのでデリケートな繊維の洋服でも縮まず洗えます。
絹やカシミヤ、レーヨンなどは水洗いしたら形崩れして台無しになりますが、こんな生地ほど石油系ドライクリーニングは有効。
そんな、繊細な洋服繊維でも洗えるからこそ「着物」にも大丈夫なんです。
そして、K様の不満にもあったように「着物」で汚れが目立つのは「襟」「袖口」「裾」。
柳屋クリーニングでは、この箇所を「シルクガン」と呼ばれる機材でしっかり前処理してから洗います。
シルクガンはその名の通り、絹のような目の細かい生地をヨレること無く汚れを叩き出す優れもの。
その上、柳屋のドライ溶剤は定期的にフィルター交換して「キレイな状態」を保っています。
だから洗った後の『色の冴え』が違うんです。
シルクガンで汚れを浮かし、キレイな溶剤で洗う。
自然乾燥の後、手仕上げで丁寧に仕上げる。
だからこそ柳屋クリーニングの「着物丸洗い」はきっとご満足頂けると確信しています。
汚れやすい襟はソープ入りの溶剤で前処理
いちばん
黒ずみが出やすい裾
シルクガンからでる霧状の溶剤。ミクロ粒子だから生地が傷まない